食っちゃ寝て書いて

周囲から見ると、ぐうたらしているような毎日のように見える人もいる。本書の表紙は物語に出てくる売れない作家の日常を表した挿画である。

もちろんこれが作家の全てではない。小説を描くとなると、作品によっては、近頃は新型コロナウイルスの影響により、どうなっているのかは定かではないが、取材として多くの場所を巡る、あるいはインタビューを通して題材を集めると行ったことを行う方々もいるため、一概には言えない。

また作家は作家一本で行っている人もかつてはほとんどだったのだが、今となっては一本で行っている方もいれば、会社員など兼業している人もいる(売れない頃は兼業して、売れた後に作家一本で活躍している人もいる)。

本書は鳴かず飛ばずの作家が、作家としての道が危うくなるところから物語が始まる。また編集者も売れる作品を探し、見つけ、育てていくために躍起になっていく。特に出版界では右肩下がりが続いており、生き残っていくために、編集者に限らず、多くの出版社は部署の枠を越えて必死になっている。

「後がない」といった状態から二人三脚で作品を生み出し、再起を図ると言う姿は、作家としての、そして編集者としてのプライドがありありと見えてくるような物語であった。