SDGs――危機の時代の羅針盤

SDGsは、書籍にしても、店・企業にしても掲げているところは数多くある。第1章でも言及するのだが、「SDGs」は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字などをとった名前である。もっとも持続可能な目標と行っても、どのようなものなのかわからない方もいるかもしれない。本書はどのようなものか、そしてなぜSDGsができたのか、日本におけるSDGsの立ち位置とは何かなどを取り上げているのが本書である。

第1章「SDGsとは何か」

この「SDGs」が作られたのは2015年。今から6年前の話である。2030年までに、地球規模で成長できるための目標をあらかじめ手作り、企業・団体などが当てはめて達成するといたものである。目標は分類として大きく分けて17個あり、達成基準と行った細分化をすると169にも上るジェンダーといった人的なものから、環境面などに至るまで事細かに策定することができる。

第2章「国連でのSDGs交渉」

「SDGs」は「危機管理」の側面があった。最近では「新型コロナウイルス」もあれば、かねてから地球温暖化といった側面もあった。様々なリスクにより、地球に人類が住めなくなるのではないかという懸念があったのだが、その懸念から脱するために、様々な策定や交渉があったのだが、中でも交渉における一部始終を取り上げている。

第3章「日本のSDGs」

では、日本ではSDGsをどのようにして捉え、なおかつ受け入れ、推進していったのか。国や一部の地方自治体でも「SDGs」を適用し、推進していった。また自治体ばかりではなく、企業や団体でも推進を行っていった。特に企業については「CSR(企業の社会的責任)」とのせめぎ合いをしながらも策定していった経緯もある。

第4章「「地球一個分」の経済社会へ」

もはやグローバリゼーションと言うよりも、「地球規模」の政策と呼ばれるのが「SDGs」とも言える。第1章でも言及したように、国連が主導して制定したことにある。そのため先進国ばかりでなく、発展途上国とも繋がりを持ちつつ、共に行動を行うといった狙いがある。

第5章「2030年までの「行動の10年」」

SDGsはリミットが設けられている。それが2030年である。もし何もなければ2030年に起こりうる未来と、SDGsを通して、どのようなゴールを目指すのか、その姿を取り上げている。

企業でも地域でも「SDGs」が掲げられているのだが、そもそもSDGsとは何かを知り、具体的にどのような行動をもたらせるのか、それは企業や国の専売特許でなく、私たちに求められている課題そのものである。その背景と実践の手前までにやるべきこと、考えるべき事が本書に詰まっている。