本来であれば考えられないエピソードかも知れない。しかし国や時代によってはそれがごく「当たり前」にあった時代なのかも知れない。ある意味「身売り」のようなエピソードであったのだが、「家族」とは何かをこれほどまで考えさせられるような事がなかったと言える。
少女にしても少年にしても、幼い頃は「多感」な時代である。その多感な時代を「大人の都合」により、奪われてしまうことも少なくない。
しかしながら主人公、そして実の家族の「絆」は奪われたわけではない。離れ離れ担ってしまった時もなお、絆は残り、かつだんだんと強めていった。時の家族では環境の違いや、境遇によってつらい目に遭った。しかし成長し、戻ってきたときの感動は何とも言えない。
本書が刊行された本国ではベストセラーとなり、映画化も進行中であるという。もし機会があれば、本書の物語は是非日本で上映を行ってほしいことを願う。これほどまで「家族の絆」を知らしめる作品はなかなかない。
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