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2021年4月

地方の論理

少し前までは「首都圏一極集中」が長らく進んでいたのだが、新型コロナウイルスの感染拡大の要因もあってか、一極集中が崩れているような印象がある。人材派遣業の大手であるパソナは東京から淡路島へ本社の主要機能を移動すると言った報道もなされ、芸能プロダクションのアミューズも本社を東京から山梨県の富士河口湖町に移転する発表もあった。 本社機能を地方に移転するといった動きもあれば、就職・転職を機に首都圏から地方 […]

半逆光

人を好きになってしまうことに、解などない。本書帯より 「好き」といった感情があるとするならばその通りかも知れない。しかし解の中には倫理的に、社会規範的に許されざる「好き」があることもまた事実としてある。その一つとして「不倫」が挙げられる。とある俳優が「不倫は文化だ」といった発言で騒動になったことは一昔前の話になるのだが(後に本人が否定した)、実際に不倫をした・されたとなるとどのような感情になるのだ […]

全国学力テストはなぜ失敗したのか――学力調査を科学する

「全国学力テスト」は今もなお行われている。しかし「全国学力テスト」は広義と狭義によって分かれており、広義の場合は1956年から11年にわたって実施されたこと、さらに2007年から始まるまでに、度々名前を変えて行われたものも含まれる。狭義になると2007年からスタートした同名のテストのみを指している。 本書はこの2007年から行われた全国学力テストに関しての批判を行っている。なぜ「失敗」と断定したの […]

前夜

山奥や僻地と行った所の場合は古い慣習が残っている所が多くある。その「慣習」自体が、外から見れば、ある種非現実的、あるいはファンタジーといった要素が絡んでおり、本書は、慣習をもとにした「ファンタジー」がある。 ちなみに本書は「ミステリー」でありながら「ファンタジー」の要素が色濃くある。山奥の集落にある別荘が舞台となっているが、そこにはある「吸血鬼」の伝説があるという。 殺人事件が起こるのだが、吸血鬼 […]

グローバル・タックス―国境を超える課税権力

法律はそれぞれの国によって決まり、なおかつ税制も同様に税率の設定は国それぞれである。しかしながら、多国籍企業や、多くの国々で販売やサービスを提供している場合は、それぞれの国に見合った税金を支払いを行う。 しかしグローバル化が進んでいく中で、「課税」に関しての権力は国境を超えてしまうことがしばしばある。それは特にインターネットを中心とした「デジタル」や「ネットワーク」にまつわる勢力のことを指している […]

戻ってきた娘

本来であれば考えられないエピソードかも知れない。しかし国や時代によってはそれがごく「当たり前」にあった時代なのかも知れない。ある意味「身売り」のようなエピソードであったのだが、「家族」とは何かをこれほどまで考えさせられるような事がなかったと言える。 少女にしても少年にしても、幼い頃は「多感」な時代である。その多感な時代を「大人の都合」により、奪われてしまうことも少なくない。 しかしながら主人公、そ […]

尊厳―その歴史と意味

本書のタイトルにある「尊厳」は辞書で調べてみると、 とうとくおごそかで、おかしがたいこと「広辞苑 第七版」より とある。優しく紐解こうと思ったのだが、実を言うと哲学上最も難しい事柄の一つであり、なおかつ人間として生きて行くに当たっての重要な要素でありながら、どこまでが「尊厳として成り立つのかがわからない。しかも「尊厳」と言う言葉は、知られている者として人間としての死ぬ権利の一つである「尊厳死」とい […]

福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく

東日本大震災から10年、同時に福島第一原子力発電所の原発事故から10年を迎えた。今もなお放射線被害が残っており、なおかつ今も福島県の一部地域では「帰宅困難地域」に指定され、今も自宅に帰れない方々もいる。 さらに言うと、この原発事故の原因究明は続いている中で、新型コロナウイルスなど、様々なことが起こったことから希薄化している。その現状を憂い、またメディアでも取り上げず、なおかつ政治的にも消されてしま […]

SDGs――危機の時代の羅針盤

SDGsは、書籍にしても、店・企業にしても掲げているところは数多くある。第1章でも言及するのだが、「SDGs」は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字などをとった名前である。もっとも持続可能な目標と行っても、どのようなものなのかわからない方もいるかもしれない。本書はどのようなものか、そしてなぜSDGsができたのか、日本におけるSDGsの立ち位置 […]

コミュニケーション力を高めるプレゼン・発表術

コミュニケーション力を向上するためには手法は色々とあれど、磨き続けること以外に向上することはない。もちろん天性のものがあるのかもしれないのだが、あってもなくてもどうとなるものである。それはどのように「伝える」かを磨き続けることにある。その上で本書である。本書はコミュニケーション力を高める要素の一つとして「プレゼン」を取り上げている。 1.「プレゼンに臨む前に押さえること」 「プレゼン」を行う前に、 […]