ぼくときみの半径にだけ届く魔法

「魔法」と言っても本書に出てくる登場人物に魔法使いはいない。しかし、奇跡の物語や出会いがあるとするならば、あたかも「魔法」にかかった、という気分になるのかも知れない。

本書はあるカメラマンと難病を抱える少女との出会い、そして恋愛を描いている。恋愛小説であるのだが、何とも悲しく、そして運命の如く奇跡が起こっていった。まさに本書のタイトルがよく似合うようにあたかも魔法にかかったかのようなことばかりである。

おそらく恋愛小説の中では正統派の中で最も正統派と言える一冊と言える。それだけに悪く行ってしまうかと「ベタ」と言う人もいるかもしれないが、その良さもしっかりと引き出しており、感動的に仕上がっているところが見事だった。

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