このところ、様々な所での技術革新は止まらない。その革新によって私たちの生活の変化も起こっており、また現在進行形で進化を続けている。もちろん進化の度合いは国によって異なっており、本書は中国におけるデジタル進化を取り上げているのだが、そこは日本以上に進化しているものだった。
第1章「潜入! アリババホテル」
本章で紹介されるホテルは2018年12月にオープンしたばかりである。しかもホテルマンはほとんどおらず、応対はロボットが行うと言うものであり、なおかつチェックイン・アウトも人を介さないというようなものである。近未来とも思われたAI化が現に中国では現実のものとなっている。
第2章「強行! デジタルショップツアー」
こうした試みはホテルに限らず、書店を始め、様々な店で行われているという。では、どのような店にて完全無人化、あるいはロボットを頼りにして人的コストを最小限に抑えたのか、その事例を紹介している。
第3章「新感覚! アリババの「カバさんスーパー」」
本章で紹介されるスーパーは、実際に店としてはあるものの、ネットと融合している店であり、専用のアプリにて注文したものを受け取ることも行っている。さらに商品を運ぶ所についてもIT化が行われている。また現在では日本でも行っているが、アプリによるチラシや販売促進、さらには宅配サービスといったものも紹介されている。
第4章「百花繚乱! 最新キャッシュレスサービス」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いキャッシュレスの促進を進めている動きもあるのだが、いくつかの国ではほとんどキャッシュレスで進められている動きもある。しかしここで言っているのは料金の支払いのことであり、本章ではお金の支払いに限らず、ありとあらゆる所でのキャッシュレス化、あるいはオンライン化が行われているという。
例えば傘のシェアリングやモバイルバッテリーのシェアリング、オンライン診療については日本でも広がりを見せているのだが、中国ではその浸透の度合いが異なると言う。
第5章「没入! 無人エンタメボックス」
ここ最近日本でもテレワークを行うためのボックスができはじめ、さらには乳児と母親のためのボックスまで存在しているのだが、中国では休憩はもちろんのこと、カラオケやフィットネスといったものがボックスとして表れている。他にも日本における近未来のコンビニとしてある「無人コンビニ」が中国でできていることも明かしている。
第6章「快適! デジタルチャイナの移動手段」
デリバリーやシェアサイクルなど日本にもあるデジタル化を取り上げているのだが、扱いなどの面で日本と異なる部分がある。本章を見てみると、いかに中国が荒っぽいかと言うのと同時に、日本におけるウーバーイーツに関しての事件を連想するのだが、それと比べものにならないほどである。
第7章「総括! アリペイ&ウィーチャットが描く中国消費の未来」
中国では「アリペイ」や「ウィーチャット」といったアプリがよく使われるのだが、その2つが中国消費の未来を担っているという。しかし元々ある中国の国民性とともにどのような変化があるのかについて本章にて考察を行っている。
確かに中国では日本以上にITやキャッシュレス化は進んでいる。では日本は遅れているかというと、国民性や国の事情も加味すると、かならずしもそうとは言えない。とは言えど、日本でもキャッシュレス化の波は止まらないことは確かである。本書で紹介されていることの中にはこれから日本でも導入されるものもあるかもしれないが、日本ではどのように扱われるのか、どう取り上げるのか、見物と言うほかない。
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