カッコウの微笑み

ハッカーの事件は後を絶たない。大手の会社への不正アクセスのみならず、そのデータを盗むどころか、ランサムウェアを入れて、身代金を出させるような行為まで及んでいる。対象は全世界にまで広がっており、日本の企業でも実際に被害を受けているケースも存在している。

さて本書の話だが、主人公はハッカーとしての裏の仕事を行っているのだが、依頼を受けて製薬会社へハッキングを行いデータを盗むといった事を行った。しかしその依頼元の主が仕事後不審な死を遂げた。そこには「企業」という名の暗い「影」があり、その影と戦うことになった。

「巨大企業」や「製薬会社」となるとこういった「闇」となるような作品もあり、ミステークやサスペンスの題材にもよく使われる。ありきたりと言えばありきたりかも知れないのだが、闇の中のドロドロといったものではなく、むしろハッカーとしての立場から闇からいかに脱するかといったスリリングな展開が何とも魅力的であった。