本書はあたかもタイムマシンに乗ったような1冊である。現在が2021年とするならば、過去は2015年、未来は2028年といったように、日本滅亡を回避するために、尽力するといった一冊である。
近未来であり、なおかつ現実と架空、それぞれの「世界」を交錯していく中で生き残った人たちは回避に向けて動いていく。しかしその中には殺人事件も発生するなど、滅亡や事件解決などが関わっていく中で物語は進んでいく。
単純にこう書いていくと、何が何だかわからないように思えるが、こう複雑に絡んだ線が長い物語を進めていくうちに、一本につながっていき、めまぐるしく変わっていく中で一つの規則(アルゴリズム)になっていく。複雑な事象を「単純化」するといった本や考え方がいくつか存在するのだが、それを小説の形にして表した一冊と言える。
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森 晶麿 講談社 2020年11月26日頃
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