人間の感情には色々とあるのだが、代表的なものの一つとして「怒り」がある。しかし「怒り」は時として、負の感情を出してしまうため、周囲の雰囲気を悪くする、あるいは自分自身も「自己嫌悪」に陥るなど悪い側面が多くあるため、悪いような扱いになることが多々ある。
しかし「怒り」と言う感情は別に悪いわけではない。その感情をどう出していくかによって変わってくる。本書は「アンガーマネジメント」の第一人者であり、「アンガーマネジメント」をもとにして「怒り」をどのように付き合い、活かすかを伝授している。
第一章「怒りの感情には意味がある」
断っておく必要があるのだが「アンガーマネジメント」は怒りを「抑える」のではなく、ポジティブなものに変えて「活かす」ことにある。「怒り」を覚えることは私自身も少なからずあるのだが、その怒りにも何かしらの「要因」「意味」がある。意味があるようなものを放棄するのではなく、むしろ良い方向へ変えるためにはどうしたら良いか、を考える必要がある。
第二章「怒りは個人を変え、社会を変えた」
「怒り」という感情は時として自分自身を変えて、周囲を変える要因にもなる。本章ではイチローや冨永愛といった有名人からTwitterであった#MeToo運動などが挙げられる。ただ私の中で最も印象に残った「怒り」は、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏の、
怒りが全てのモチベーションだった。怒りがなければ何も成し遂げられなかったp.48より
がある。これは青色発光ダイオードを開発したこと、そして自ら忠義を尽くした会社の仕打ちによる怒りがあった。
第三章「怒りと上手に付き合う方法」
「怒り」は必要な感情であるのだが、それをうまく付き合うことが必要である。しかしそれがなかなかできず、発散の仕方を間違えてしまい、自分も相手も悪くなってしまうような事が度々ある。「怒り」となるとどちらかというと「マイナス」の感情となるが、それとどのようにして付き合っていけば良いかを取り上げている。
第四章「あなたの怒りは武器になる」
「怒り」の感情はどのように矛先をつけるかによって良くも非常に悪くもなる。矛先を決めて、どのようにぶつけていくかによって、良いモノになっていく。怒りというと、自分自身の感情であるため「私憤」に分類するのだが、それを日本をはじめあらゆる所への改善として「公憤」として、どう改善していくかを本章にて提示している。
第五章「怒りで失敗したときには」
「怒り」は「取扱注意」の感情であるため、扱いを間違えてしまい、失敗してしまう事がある。失敗をしないために、というよりも失敗した後に何をしたら良いかを取り上げている。
「怒り」は誰にでもある感情であるからでこそ、扱いに気をつける。そして扱いを良い方向に向けることによって、怒りは「ネガティブ」なものから「ポジティブ」なものへと変えることが出来る。それを変えることが出来るのは自分自身である。
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