決してアニメ化・実写映画化されたマンガによく出てくる、「可燃性の水」の事を表している作品ではない。(映画では登場回数漫画史上No.1と標榜しているが)
それはさておき、本書の舞台はとある中小電機メーカーであるが、その会社員が遺体で見つかった所から物語は始まる。しかしその事件の謎を紐解いていく内にメーカー全体を含めて、リストラ・廃業などが起こった。
しかもライバル企業の魔の手など、会社という「枠」を超えての物語となっていく。しかしこの死亡事故は「事故」なのか、それとも「事件」なのか、また本書のタイトルにある「燃える水」は果たして存在するのかと言うところまで言及している。
本書は開発や人事を始めた会社内部の謀略はもちろんのこと、ライバル会社も廃業と同時に引き抜かんとする動きなど、ミステリーというよりも、会社の「謀略」も重きに置いている所があり、会社内外での事情をうまく織り交ぜた一冊と言える。
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