精密と凶暴

忍者の発祥は諸説あり、ハッキリとしていないが、少なくとも源平と呼ばれた合戦の時代以降には存在している。平安末期から鎌倉時代にかけてである。人目に隠れて奇襲を行い人を殺すこともあれば、建物などの破壊、さらには諜報活動など、役割は多岐にわたる。

伊賀衆や甲賀衆のように集団を作るところもあれば、将軍や藩士直属の忍びもいる。また忍者の役割を終えた後は、主に創作の面で忍者が扱われるようになり、そのイメージが海外にも伝播し、「日本=忍者」というイメージも作られるようになった。

その忍者が現代に現れたらどうなるのか、というのが本書の物語である。本書は国直属の忍び、いわゆる「超法規的武力組織」として闇の集団として暗躍するような集団である。謀略もあれば戦闘もあるなど、スリリングな展開であるのだが、元来ある「忍者」のイメージもある程度残しているところも魅力としてある。