先生も大変なんです いまどきの学校と教師のホンネ

先生という職業は、かつては憧れの的と言われることもあれば、「奉職」と呼ばれられるほどの職業だった。

しかし昨今では教育問題だけでなく、教師が目の敵にされるようなこともあり、なおかつ要求されることも多くなった。そのためか、働き方改革と呼ばれている中で、蚊帳の外にされてしまうこともあったのだが、ようやく文科省を含め関係各所が重い腰を上げはじめたところだという。では学校の先生はどれだけ大変なのか、その本音を取り上げている野が本書である。

第1章「「ブラック」と「やりがい」のはざまで」

よく民間企業では、長時間労働やパワハラなどが横行している事を「ブラック企業」と呼ばれている。では学校ではどうなのかと言うと、朝の出勤から夜の退勤までの流れを見ていくだけでも、企業と異なる部分が所々ある。「授業」があるだけでなく、各行事・部活動の準備、さらには生徒指導などやることを列挙していくだけでも膨大である。時間だけでも長時間であるのだが、他にも休息となる時間もほとんどないのが現状である。

第2章「仕事は増えていくばかり」

会社の仕事では新しい業務が出てくると同時に、今までの中で「捨てる」と呼ばれることがある。しかし学校の先生はこの「捨てる」と言った仕事がほとんどなく、むしろ新し業務ばかりが増えていくため、1日では収まりきらないほどになる。

第3章「タイムカード? それなんですか?」

よく会社では紙のタイムカード、今となってはシステム的にセキュリティカードで出退勤を行う、あるいはパソコンの起動・シャットダウンで打刻を行う所が、会社によってまちまちである。

では学校はというと、タイムカード自体がないという(もちろん学校によるが)。特に公立学校ではその傾向が強く、残業代もつかない。なぜ残業代がつかないかというと、もっとも教師には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(通称:給特法)」によって定められており、通常の会社員とは異なる。この給特法について残業代についても支給しないことを言及している(第三条第2項)。

さらにここ最近では「モンスターペアレント」などの対応に追われることもあるという。

第4章「授業準備の時間が取れなくて」

小学校だと、ほとんどの授業を担任が受け持つが、中学・高校だとその専門の先生が受け持つ。そのため空き時間があるのではと思いがちであるが、空き時間も次の授業の準備やそのほかの事務作業などで立て込んでおり、息つく暇もない。もっというと第2章で言及した増加した仕事により、授業準備すらもできないほどにまでなったという。

第5章「部活動、先生もつらいんです」

本章は先生によりけりな部分が多くある。部活動というと朝から晩まで部活動を行うところもちらほらある。私がかつて活動していた吹奏楽部も朝から晩まで…といったこともあり、なおかつ合宿も何度かあった。このときは私たちもそうであるが先生も熱心だったこともあり、有意義な活動だったことを鮮明に覚えている。

しかし部活動によっては、門外漢の所の部に顧問としてつかされ、どう行っていけば良い変わらないという意見も少なくない。もっと言うと部活を行う時間もどれくらい行っていけば良いか、悩ませる先生も少なくない。

第6章「クリエイティブで学び続ける教師であるために」

もちろん先生自体も変わっていく必要があるのだが、それ以上に学校なども含めて教育機関全てが変わっていく必要がある。その「変わる」ことは一体どのように変わっていくべきか、自身が教師として経験したことを踏まえて提言を行っている。

学校の先生の仕事は私たちの想像もつかないほど膨大である。もっともかねてから「働き方改革」を訴えているのであれば、公務員のところからの改革が必要であるが、その改革は河野太郎担当大臣が先導して行っているが、教育機関も行っていくのだが、それがなかなかうまく行っていないのが現状である。