今年のプロ野球セリーグのペナントレースは虎が首位を固めているが、それを追っているのは巨人である。そのため虎を追うのは巨人である。(2021年8月10日現在)
しかし本書はそうではない。本書で表している「虎」は阪神ではなく、とある連続殺人事件の冤罪疑惑を晴らすべく捜査した際に、謎の小包が届く、そこに書いてある名前が「虎」といった謎の名前である。
事件解決もあるのだが、冤罪を晴らすといった側面もある一方で、現代にあわせてかどうかは不明だが、SNSの投稿の描写も細かく描かれている。その中での心理描写も思っている以上に細かく取り上げられているため、事件と心理的な要素が強く、重い展開ながらも、ミステリーならではの魅力がふんだんに詰まっている。本格的なミステリーの要素と新しい描写と替え備えた一冊と言える。
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