もしも本書のタイトルのお題を私が問われたとしたのであれば、私は変わらず「働く」と答える。もっとも私自身はお金のために働く側面もあるのだが、それ以上に「愉しみ」で働くと言った側面もあり、お金が十分に得られたとしても、「愉しみ」が残っているため、働くことは変わりないためである。
さて本書の話に入るのだが、本書は「ベーシックインカム(最低限所得保障の一種)」についてである。実際に国によってはベーシックインカムを採用している国もあるのだが、いざ日本で行うとなると財源などの側面で難しい部分もある。なぜベーシックインカムが必要であるのか、そしてそれをどのようにして結実していくのか、そのことについて取り上げている。
第一部「無条件のベーシックインカム」
ベーシックインカムについて国民投票を行った国があるが、その一例としてスイスを取り上げている。スイスでは2016年の5月に成人国民に約28万円(2500スイスフラン)/月と未成年者には約7万円(625スイスフラン)/月の案を国民に提示し、投票を行ったが、反対多数で否決された。
本章ではそのプロセスを取り上げつつ、ベーシックインカムとはどのような制度なのかを併せて取り上げている。
第二部「未来社会とベーシックインカム」
これからの社会において、ベーシックインカムを行う事によって、どのようなメリットがあるのかを取り上げているが、その中で重要視されているのが「時間」である。「時は金なり」と言う言葉があるのだが、お金を無条件で得ることによって、人間的に活動できるための時間を取り戻し、なおかつ平等に過ごすことができるというコトを主張している。
日本でもベーシックインカムに関しての議論は進められているのだが、政党間、さらには政党内においても賛否両論がある。とはいえど、日本ではベーシックインカムほどではないのだが、「給付金」制度において、何度か一定額の給付金を行っていることも議論が進まない理由の一つとしてある。
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