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2021年8月

好循環のまちづくり!

最近では新型コロナウイルスの感染拡大により、国・都市・地方関わらず対応に追われ、まちづくりをおこなうにも労力が割かれ、なかなか実行するにも前に進むことができない現状にある。 しかしながら街づくりをどう行うか、そして活気のあり、好循環をもたらすようなまちづくりはどのような事例があるのか、そのことについて取り上げているのが本書である。 第1章「まちづくりのホップ、ステップ、ジャンプ!」 とある歌のこと […]

道化むさぼる揚羽の夢の

歌にしても、物語にしても、翼や羽を持って自由に飛び立ちたいという思いを持ってしまうような作品が多くある。窮屈になる世の中で「自由になりたい」と考えている方々も多くいることも背景としてあるのかもしれない。 本書はある意味日常のように見えて、非日常である、いわゆる「ディストピア」の要素がふんだんに盛り込まれている小説である。 そもそも本書の舞台は典型的かどうかは難しいのだが「ブラック企業」と言っても差 […]

地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」

国内外の地図には色々な地名や街などがある。中にはかなり特徴的なものまであり、愉しませてくれる。 しかしその一方で、地図から地名が消される、あるいは変えられるといったものがあるのだが、本書では今から10年前に起こった東日本大震災、そして福島第一原子力発電所事故によって、消されそうな街があると指摘している。著者自身は元々北海タイムスや北海道新聞、そして現在は朝日新聞社の記者として活躍し、特に東日本大震 […]

モダン語の世界へ―流行語で探る近現代

日本語に限らず、「言葉」そのものは常々変化する。しかしその変化に許容せず、批判的に見たり、主張したりして「日本語の乱れ」といった主張ができあがる。「日本語の乱れ」自体は清少納言の「枕草子」の時代からあり、今も昔も存在している。 しかし日本語も戦前、戦後と時代と共に変化している。本書は今となっては死語である「モガ」「モボ」が登場した1910~30年代、ちょうど明治末期から昭和初期にかけて、識字率が向 […]

男らしさの終焉

「男らしさ」「女らしさ」とはどこから来るのだろうかという疑問を持ってしまうのだが、そもそも男性でも「女らしい」ような人もいれば、逆に女性でも「男らしい」人もいる(中には「女子プロレス最強の男」と名付けられた女子レスラーもいる)。 そもそも性的な「らしさ」は死語になりつつあり、とっくの間に終焉しているような気がしてならないのだが、そもそもどこの面で「終焉」と著者は思っているのだろうか、本書はそのこと […]

月の淀む処

よくスーパーに行くと安売りしている商品には「訳あり商品」といったものがあり、住宅情報や不動産屋のところでは「訳あり物件」なるものが存在する。 本書で紹介される「マンション」は築40年で年季も入っているのだが、ある種「訳あり」という感がある。よくある「訳あり」は設備が古くなっているといった種類や、近くに墓地があるといったわかる側面から、あらかじめ「告知事項あり」といったもので仲介業者、あるいは貸主か […]

Be Yourself 自分らしく輝いて人生を変える教科書

「自分らしく」は、言葉ではできるように見えてけっこう難しい部分がある。もっとも「自分らしく」振る舞うためには、何をしたら良いのか分からない方も多くいることも理由の一つとしてある。 そこで本書である。本書は自分らしくどう振る舞えば良いか、そして自分らしく活かし、磨き続けていき、人生をどう変えていけば良いのか、本書は「教科書」として伝授している。 第1章「自分を知る」 何よりも先に「自分を知る」ことが […]

良いスウェーデン、悪いスウェーデン―ポスト真実の時代における国家ブランド戦争

2018年に「世界で評判の良い国」の第1位に選ばれた国、スウェーデン。その国では消費税が25%(種類によって税率が変わるため、全部が全部25%ではない)である一方で、福祉・教育などが充実した国として有名であるのだが、実際にはメディアではあまり報道されない「負」の側面も存在する。本書では知られざる「負」の側面と、真実を追っている。 第1章「クリスマスの灯、暴動、理想郷の崩壊」 北欧の国の一つであるス […]

監禁探偵

本書は元々漫画作品であり、2013年に実写映画化されたほどの人気を持つ。密室で繰り広げられる事件に対して、解決に導いていく作品であるのだが、スリリングな展開が多くあり、そこがマンガで人気を呼んだのかも知れず、なおかつ映画化の要因にもなった。 本書はマンガ・映画化された同名の作品をノベライズにしたのだが、文章からもスリリングな展開が見事に描かれており、監禁の身でありながらも、解決していく姿は、マンガ […]

悪漢(ワル)の流儀

戦後最大の経済事件として扱われている「イトマン事件」。その首謀者の一人が本書で紹介する許永中である。許永中はフィクサーとして裏から世界を支えていった。表舞台に立つことは少なく、イトマン事件で初めて出てくることになったとも言える。 現在は経済事件における服役を終え、韓国・ソウルに在住している。かつては日本で活躍したことから在日韓国人の代表格としても扱われることがあった。その許が自ら人生と、様々な交友 […]