肉体のジェンダーを笑うな

おそらく本書は史上初めてとなる「パラレルジェンダー」と呼べる一冊と言える。というのは男性の胸から母乳が、いわゆる「父乳」が出るといったことから、ロボット技術で女性が怪力になると言ったものまで出てくる。

いわゆる性的な特徴といったものを「決めつけ」としていたものを排し、性別を超えるようなものまで出てくる。

また本書は短編集であり、他にも「フラット」な生き方を性別も含めてすべて「フラット」にするようなものから、よくあるセキュリティの技術を身体に見立てると言ったものまである。

物語は時にはひょんな所から出てきており、本書はジェンダーフリーの概念をここまで押し広げていって物語にするところが面白かった。よくある所で言うと「男の娘」もあれば、「女子力(物理)」といったものがあるのだが、それらにあたらない著者自らのジェンダーフリーの概念が映し出されていた。