「天才」と呼ばれる人物は数多くいる。しかしその天才と言っても、人であり、人であるからでこそ「失敗」は存在する。しかもその「失敗」の中には大きな失敗をしてしまい、頂点から転落してしまうことも往々にしてある。本書は12人の天才たちがなぜ転落したのか、それぞれの角度から取り上げている。
Chapter1「競争戦略」
本章で取り上げているのは3人。一人は発明家のニコラ・テスラ、一人は麻酔技術のパイオニアであった歯科技師のホーレス・ウェルズ、もう一人はゴールド・ラッシュと関わりがあったジョン・アウグスト・サッターである。
それぞれ策略や野望があったのだが、それぞれ悲しい最期となった。どのような最期を迎え、なおかつ教訓となったのかを取り上げている。
Chapter2「マネジメント論」
本章では打って変わり、日本人3人である。名参謀で「財界のナポレオン」とも言われた金子直吉、再建王として名を連ね、「船舶王」とも言われた坪内寿夫、そして近代の中で史上初めて汚職事件に手を染め、割腹自殺という壮絶な最期を遂げた、御用商人である山城屋和助を紹介している。
特に経営の面では金子直吉と坪内寿夫は経済的な「変化」の所で対応できなかった点で共通しており、経営における「失敗」の事例として参考になる。
Chapter3「マネー論」
「金は天下の回りもの」と言う言葉があるのだが、その「天下」はふとしたこと・発言から一気に手からこぼれ落ちてしまう。こぼれ落ちてしまい、没落してしまった4人の人物を取り上げている。中にはギャンブラーもいれば、銀行の経営者までいる。
Chapter4「幸福論」
社交界の花形と画家と2人を取り上げているのだが、それぞれ異色の人生を歩んでいったのだが、その中での転落と本質を取り上げている。特に有名なところで言うと画家で名を馳せたポール・ゴーギャンは元々は証券マンだったが、画家転向も含めて脱サラしようとしたが、そこでトラブルに遭い、失敗したのだという。
失敗にしても、規模の大小はある。しかし本書で取り上げている12人の失敗はいずれも、人生を破滅に導くほどの「大失敗」と言える。その失敗から何を学ぶべきなのか、失敗似ても原因があり、なおかつ教訓もあるため、そこから得られるものは多くある。
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