女神のサラダ

本書は野菜、もとい農場を舞台とした短編集である。場所も群馬県昭和村、岡山県備前市、北海道京極町、長崎県諫早市、和歌山県広川町、岩手県葛巻町、香川県小豆島町、石川県小松市と、ほぼ全国を網羅している。

それぞれの場所の名産地であるため、その地で有名な野菜もふんだんに出てくるのだが、それぞれの野菜を育てる方々の葛藤もキチンと描かれている。巷のニュースや本などでは農業は難しいといったことを見聞きするのだが、その「難しさ」も事細かに描かれている。中には専門用語も出てくるのだが、脚注で解説されているため、非常に読みやすくできている。

この難しさと葛藤が人生を、そして野菜に彩りを与えていることが良く分かる一冊であり、なおかつ本書で出てくる方々や農業に携わる方々へのエールともいえる一冊である。

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