問いの立て方

「問い」というと、テストなどの問題を連想してしまうのだが、本書で言うところの「問い」は、様々な研究において、考えるべき「命題」という意味合いが強い。特に哲学の側面ではこの「問い」に対して、どのような答えを結びつけたら良いのかがあるため、答えを良くする前に、「いい問い」と呼ばれる、考察や回答の側面で答えやすい、あるいは深い答えを導き出すための「問い」を出すことが求められる。

そう考えるとある種の「質問力」とも思ってしまうのだが、実際に「いい問い」を出すことは質問力もその一つと考えても良いかも知れない。では「いい問い」とはいったい何か、そしてどのようにして見つけたら良いのかを、本書にて取り上げている。

第一章「「いい問い」とは何か」

「問い」とひとえに言っても、出し方はけっこう異なる。単純な質問にしても、よくある「はい」「いいえ」で答えられるようなクローズドクエスチョンもあれば、自由に答えられるオープンクエスチョンもある。また質問の問いの中には答えのないものもあり、自分自身にあった「解」を探し求める必要のあるものまである。

「問い」は非常に幅が広いのだが、そもそも「いい問い」の定義自体もけっこう人それぞれに依存する側面が強いが、そもそも「答え」「解」あっての質問・問いであるため、どのような答えや解を見出すために問いを行うかによっていい・悪いが異なってくる。

第二章「「いい問い」にする方法」

「いい問い」は単純に問いを出すだけでなく、その「問い」を磨き続けることが大切であるという。もっとも問いから答え・解を見つけるとあったのだが、本質的な答え・解を見出すためには、問いを変えていくことが必要になってくる。その問いはどようにして磨き続けたら良いのかを列挙している。

第三章「「いい問い」の見つけ方」

「いい問い」にするための方法を前章にて取り上げたのだが、いい問いにするために何をすべきかを踏まえて、どう「見つける」かを本章にて提示している。「問い」を出すためにも理由や意図が入ってくる。その意図や理由をもとにしてどう問いを見つけるのかにかかっている。

問いは哲学的な論考のように見えて、実は私たちの生活すべてに関わってくる。それは日頃から質問や疑問を持つ。なぜ疑問や質問を持つのか、そこには答えと言うよりも「仮説」があり、その仮説は本当に正しいのかの疑問を持つ。その疑問からどのようにして「問い」として投げかけるかによって、本質を見出すための近道にもなる。