介護施設は全国津々浦々に存在する。手厚い介護を受けられるところもあれば、中には「それなり」といった所も存在する。ちなみに本書のような介護施設であれば、発覚するようなことがあれば摘発されることは間違いなしだが。
本書は介護施設としては設備が充実、接遇なども良いと噂の介護施設であり、入所者も多くいる。その中にある女性ケアマネージャーがの献身的な態度が人気を呼んでいるのだが、このケアマネージャーが「ひと喰い」と呼ばれている最大の要因だった。
態度と話術の裏には裕福な高齢者たちの財産を根こそぎ奪い、最終的には真綿で首を絞めるように命を奪わせに行くような手口でどん底に陥れるという、違った意味での「サイコパス」のような側面を持っている。
介護の現実と言うよりも、介護現場を舞台にしたホラー作品であるが、妖怪や幽霊が出るような物語よりも、生々しさと恐怖が強くあり、読むだけでも戦慄が走るほどである。
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