アメリカの制裁外交

今でこそ、バイデン政権に変わっており、その中での外交は行われているが、実際にどのような外交になるかはまだ未知数と言うほかない状況にある。

アメリカでは歴代大統領によって、外交が変わってきており、本書で紹介するような他国に対しての「経済制裁」に積極的な大統領もいれば、逆に消極的な大統領もいる。特に適している国に対しては制裁を行うことが多いのだが、いったいどのような制裁を行ってきたのか、本書にて取り上げている。

第1部「司直の長い腕」

「司直」は簡単に言うと「裁判官」を意味している。この制裁外交の中で司直が関わっている部分があり、その一つとして、ファーウェイ副会長である孟晩舟がトランプ政権下のアメリカにおいて対イラン経済制裁に違反してカナダで逮捕されたと言うものである。もっともアメリカ国内で逮捕するというのは普通だが、国を超えた場所で逮捕すると言った事を考えると「長い腕」を持っていると言わざるを得ない。

第2部「アメリカ制裁の最前線」

アメリカにおける経済制裁の中で、有名なところはいくつかあるのだが、際立っているのが20年前に起こった9.11テロに対して、当時のタリバン政権とアルカイダのかかっているアフガニスタンに対しての経済制裁のニュースである。他にもイラン・イラクに対して、さらには北朝鮮に対しての制裁も行った。現在でも北朝鮮やイランに対しては掲載は続けている。

第3部「制裁の闇」

しかしその制裁を行う中でも「闇」が存在する。その闇とは法的な罰則はもちろんのこと、経済制裁の法律の違反により逮捕されるケースもある。しかしその中には「冤罪」と呼ばれるケースがあり、特にその冤罪の中では13年もの間法廷闘争を行った事例もある。

第4部「金融制裁乱用のトランプ政権」

制裁に関するニュースが再び出てきたのはトランプ政権下の時である。特に日中貿易戦争における制裁をちらつかせる、あるいは実際に国によっては実行すると言った事を行う事もあったのだが、はたしてそれは効果があったのかを検証している。

日本において経済制裁を受けたことがあったのかと言うと、戦前に存在している。日本が「大日本帝国」と呼ばれた時に、日中戦争や大東亜戦争が勃発する前に、アメリカを始め、様々な国からの輸出制限がかけられ、ABCD包囲網がかかったのが有名な話である。制裁はある程度効果があるとはいえ、果たして効果があったのかは検証する必要がある。しかしその検証を行う前にはある程度制裁を知っておくこともまた必要である。