本書はサブタイトルにもあるように「ヴェルノン・クロニクル」と呼ばれるシリーズで3部作あり、本書はその2作品目にあたる。
元々このシリーズは主人公であるヴェルノン・シュビュテックスを主人公を基軸に物語が展開されている特徴があり、ヴェルノンとその周りの人々、さらにはかつてのヴェルノンを知る人物など、様々な人物が織りなしている。またフランスそのものの市井も描かれており、フランスの情景を知ると言うにも格好の一冊と言える。
さて2作品目の本書はと言うと90年代に隆盛を極め、帰らぬ人となったあるロックスターの軌跡と「お宝」を追った一冊である。しかもそのロックスターはヴェルノンとも関わりを持っていた。その関わりを追って、様々な人物がヴェルノンを追う。ある種ミステリーの要素も入っているように見えて、実はフランス・パリの日常を映し出している印象が強い。
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ヴィルジニー・デパント/博多 かおる 早川書房 2021年08月18日頃
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