「デザイン」というと、絵画などの芸術を思い浮かべる方々も多いと思うのだが、実際にはビジネスの場でも「デザイン」が求められることもある。もちろん商品にまつわるデザインもあるのだが、他にもビジネスモデルを構築するために「デザイン」を行う事もある。よく「ビジネスデザイン」と呼ばれるものがあるのだが、経営や事業を行う中でデザインは切っても切れないものである。
その経営の中での「デザイン」はどのようなものがあるのか、本書はそのことについて取り上げている。
第1章「突破するデザインマネジメント」
なぜ経営に「デザイン」が求められるのか。その背景には社会が重層かつ複雑化していることにある。それらをシンプルにする事もあるのだが、より伝わりやすく、なおかつ価値を高めていくために「デザイン」が求められるようになったと言う。
第2章「デザインマネジメントを実践例から理解する 三井化学編」
本章では化学メーカーの三井化学を事例に、どのようなデザイン経営を行ってきたのかを紹介している。このデザインを行ってきたプロジェクトとして「MOLp(モル)」がある。
第3章「デザインマネジメントを実践例から理解する MGVs編」
山梨県のワイナリーで知られているMGVs(マグヴィス)もまた地域に根ざしつつ、また異業種とのコラボによってのデザインを行い、成功に導いた事例がある。前章は主に化学的な品物の生産をデザインしたのを中心としているのだが、本章ではむしろ経営のみならず「地域活性化」そのもののデザインにも重点を置いている。
第4章「デザインの始め方」
デザインをすると言っても、実際にどのようにして行ったら良いのか分からない方も多くいる。ではどのようにデザインを行ったら良いのか、その手引きとして、入り方から、考え方や磨き方に至るまでを網羅している。
第5章「特別対談」
最後は批評家や研究者、さらには第2章・第3章にてデザインを行った方々との対談を取り上げている。既存の経営の仕方とデザインマネジメントとの違いとは何か、さらにはデザインマネジメントを行っていく上での考え方や体験談などが余すところなく盛り込まれている。
斬新なマネジメントのように見えるのだが、実際にデザインはよくある絵画や芸術と行った感性をうったえることがおおくあり、なおかつそれを経営や商品に転用することもしばしばある。とは言えど経営にも論理ばかりではなく「感性」も求められることからデザインがより重要になってくるのではないかとも考えられる。
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