本書のタイトルにある「ママナラナイ(ままならない)」は辞書を引いてみると、
思いどおりにならない。自由にならない。「大辞林 第四版」より
とされている。人生はどうしても思い通りに行くことはなかなか難しい。そう考えると誰しもが人生は「ままならない」とも言える。
それはさておき、物事にしても「ままならない」とおもえることがたくさんある。本書の主人公は不動産会社に勤めているのだが、仕事にしてもプライベートにしても、本当の意味で「ままならない」人生が続いている。特に立ち退きの交渉でうまく行かなかったのだが、そこには不気味な事実があった。
ちなみに本書は表題作の「ママナラナイ」の他にも9作収録されているのだが、いずれも、不気味な展開が待っている。日常を描いているのだが、その日常から外れていくようなもので、しかもその外れ方が「悪い意味で」という言葉がしっくりくる作品ばかりである。
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