この頃「YouTuber」と言う職業が色々な所で名乗られる。人気の良し悪しにかかわらず、数多くおり、中には悪い意味で目立つありがたくないYouTuberも存在する。
本書は沖縄・宮古島で繰らす、ある家族の父親は愛娘のために突然YouTuberになることを宣言した。元々は観光客用のゲストハウスを経営している父親で、娘は絵の才能を見出し、将来は美大に進学を考えていたが、収入が不安定であることを悟った娘は無理だと思った。
しかしその娘の心配を知ってか知らないでか、もしくは流行り物に乗じてだったのかは不明だが、YouTuberになり、試行錯誤を繰り返した。
しかしその背景には、父子ならではの愛情が強く写っていた。YouTuberとしてどうしても人気になり、娘の夢を叶えたい一心で、「何でも」挑戦をする。しかしその挑戦は大きく叩かれることもあった。また、挑戦の背景のもう一つとして父親の「過去」も描かれている。YouTuberを描いたというよりも、等身大の「家族」そのものを描いており、娘の夢を叶えるために奮闘する父、そしてそれを見守る娘の姿が強烈に映し出されていた。
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浜口倫太郎 双葉社 2020年07月27日頃
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