今となってはネットニュースなどが広がりを見せており、その一方では新聞の売り上げは右肩下がりと言われている。特に10代にいたっては新聞購読での情報収集する時間がほぼない(あっても0.2~0.3分)といった衝撃的な結果が出たことが報じられた。かくいう私もそれ程新聞は読まないのだが、読んでいくと、社説はともかく根拠、主張といった具体的な要素も知ることができるため、良くも悪くも重要なソースである。
それはさておき、本書はとある新聞記者と、連続殺人犯との戦いを描いている。新聞にて連続殺人事件を取材を繰り返す一方で、その犯人と名乗る人物から新聞社宛に怪文書が送られてきた。新聞記者に対しての挑戦状だった。しかも紙上で公開討論を行うという奇抜な方法で対話をすると言ったものである。
その新聞社を巡っての報道合戦はさながらワイドショーなどで大事件として取り上げていくほどの苛烈なものだった。そのような中で事件はどのように展開をして行くのかを描いている。
もじある種ミステリーのように見えて、なおかつリアリティもあるのだが、やはり小説であるだけに、「架空」とも思わせる展開もちらほらある。しかしながらそれも全て含めてミステリーならではの楽しみを最大限に引き出している。実は本書は2022年1月にWOWOWにてドラマとして放送される。文字でも熾烈なやりとりが行われる緊迫感を映像ではどのようになるのかが楽しみである。
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