日本では新型コロナウイルスの第5波が収束を迎え、第6波が来ることが予想される。それに向けて私たちは様々な準備を行っているが、果たしてくるかどうか自体もまだ謎である。
新型コロナウイルスに限らず、「ウイルス」は様々なものがあり、ちょうど100年前のスペイン風邪、さらにはSARSやMERSといったウイルスも蔓延したことがある。またこれから起こりうるだろうとしてるものとして毎年であるのだがインフルエンザもまたウイルスの一つである。
ウイルス自体は様々な形を変えながら蔓延と収束を繰り返してきているのだが、そもそもウイルス自体は人間の歴史以上に長く存在しており、歴史を負の意味で彩ってきた側面を持っている。ではウイルスと人間の関係はどのような歴史を辿っていったのか、そのことについて取り上げている。
1.「ウイルスの歴史は長く、人間の歴史は短い」
ウイルス自体は人類が誕生する遙か前から存在していたとされている。ただ「されている」にしかとどめることができず、植物や他の動物と共に生きている「だろう」といった推測の域でしかない。
そしてそのウイルスを媒介とした感染症は人類の歴史とほぼイコールである。なかにはペスト(黒死病)や天然痘のように何百万~何千万など数多くの命を奪ったウイルスまで存在する。
2.「進化の推進力となったウイルス」
ウイルスにも種類があり、なおかつ「変異」を含めた進化を辿っていった。またウイルスの種類をひとえに言っても、大きく分けてDNAやRNAといった種類があり、さらに細分化すると枚挙に暇がない。
3.「ウイルスはどのような「システム」か」
そもそもウイルスは細胞に入って、細胞の情報を書き換えると言った役割を持っている。しかしそのウイルス特有の「システム」がどのようなものかは長らく解き明かすことが出なかったが19世紀末期にようやくウイルスと細胞の分離に成功し、ウイルスがどのような組織で成り立っているのかが解明できるようになった。
4.「ウイルスと生体のせめぎ合い」
ウイルスに感染し、病を引き起こすのは何も人間ばかりではない。他の動物にしても、植物にしてもかかるウイルスは異なれど、「感染する」ことは同じである。ウイルスが力を発揮するのは体内に侵入してのことだが、そこからのせめぎ合いもある。どのようなせめぎ合いを行っているのかを取り上げているのが本章である。
5.「ウイルスに対抗する手段」
ウイルスの対抗手段というと、よくイメージされるのが「ワクチン」である。現在では新型コロナウイルスに対するワクチン接種が日本ではほとんど行われている。コロナに限らず、ウイルスの対抗手段としてワクチンがあるのだが、本章ではワクチンの他にも細胞の中での対抗手段を取り上げている。
6.「現代社会が招くエマージングウイルス」
「エマージングウイルス」とは、
日常的にはみられないが,環境や生態系の変化などが原因で突然出現し,感染症を引き起こす既知・未知のウイルス。エボラ出血熱・ラッサ熱など高い感染性を示すものが知られている「大辞林 第四版」より
とある。特に今回蔓延している新型コロナウイルスもこのエマージングウイルスの一つして挙げられる。もっともこのエマージングウイルスの発生源はネズミなどの動物を媒介としており、新型コロナウイルスはコウモリから来ている。
7.「エマージングウイルスの時代をどう生きるか」
実はこのエマージングウイルスはSARSやMERSはもちろん2009年に起こった豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)といったウイルスが発生している。毎年のようにとまでは行かないものの、何年かに1回は新型ウイルスが発生し、拡大している。そのような時代二の中でどのように生きるのか、本章ではその指針を示している。
8.「人間とウイルスの関係を考える」
人間とウイルスの関係は人類の歴史とほぼイコールであり、ワクチンの進化の歴史とも言える。そのことを考えると人類の進化と共に、ウイルスも進化し、なおかつワクチンも進化する。しかしそのウイルスは「悪」なのかどうか、それはウイルス学会などでも議論の的となっている。
ウイルスが完全に撲滅されたのは天然痘ウイルスのみであり、そのほかのウイルスは収束こそはあったものの、撲滅されておらず、今も残っている。アフターコロナの議論が進んでいるのだが、「withコロナ」か「ゼロコロナ」かという議論も未だに残っているのだが、そもそもウイルスは変異を繰り返しながら続いている歴史そのものである。
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