数式に記された愛

本書のタイトルからして数学者が主人公なのかと思いきや、実は発明家だった。もっと言うと、「『愛』について数式を使って証明せよ」といった問題を解く物語なのかとも邪推したのだがそれでもない。

ではいったい本書はどのような物語かというと、発明家の主人公が不思議な数式に出会った。その数式には「愛」の原型が隠されていただけでなく、世界の火種となるようなものも隠されているものだった。その数式に秘められた暗号が、女性に盗まれてしまい、その女性はテロリストに与するようになり、事件を起こそうとした。それを食い止めるべく主人公が動くと言うものである。

SFの要素が強いため、SF小説に分類するのだが、数式の中に秘められた暗号と「愛」。本書の物語はスリリングのように見えて実は愛の本質を突いた一冊のように思えてならなかった。

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