カイメン すてきなスカスカ

動物には本当の意味で様々な種類があり、中にはわたしたちの知らない種類まで及ぶ。本書で紹介する「カイメン」は聞いたことがないのだが、どこかで聞き覚えのあるような名前のように思う人もいるかも知れない。本書で紹介するのだがいわゆる「海綿動物」そのものである。

第1章「ヒトとカイメン」

実はこの海綿動物は人との関わりも深く、特に家事を行っている方々であればなじみ深いスポンジがその一種としてある。今でこそプラスチックなどで人工的につくられるスポンジもあるが、中には海綿動物をボディスポンジとして利用することもあるのだという。

第2章「生き物としてのカイメン」

しかし海綿動物はどのように生きている、あるいは食事を行っているのか謎の多い動物でもある。そこで本章があるのだが、海綿動物はどのようなものを食し、どのように体内を循環していくか、そして海綿動物には内臓がないのだが、その内臓がない「謎」も列挙している。

第3章「カイメン行動学ことはじめ」

ちなみに海綿動物は行動をするのかというと、種類にもよるのだが、たいがいは動くことが多い。どのようにして行動するかと言うよりも、「なぜ行動するか?」に焦点を当てて取り上げているのが本章である。

第4章「カイメンをとりまく生き物たち」

生物であるだけに、天敵もいれば、捕食対象の生物もいる。それは海綿動物の種類によってまちまちだが、本章では捕食動物などを基軸に取り上げている。見てみるとタイマイやアオウミウシなどは捕食をする代表格として上がっており、また「とりまく」であるだけにいくつかのウミウシは食べるのではなく、「擬態する」という。

第5章「生態系のなかのカイメン」

カイメンは生態系の中でどのような立ち位置にいるのか、謎であることが多い。実際に動くのだが、捕食自体は微生物であることが多いため、植物にも見えるのだが、実際には動物である。また海綿動物がどのような進化を辿っていったのか、そこの部分についてもまだ研究し尽くされていないところが多く、謎が多い。

生物は多様であるが、身近な存在のように見えて「謎」とも言える動物がいることが良く分かる。しかし海にいる生物の一種であることはよくわかるが、その生態も含め解明の余地が沢山あるかもしれない。スカスカの分だけ謎があることが良く分かった。