ほたる茶屋 千成屋お吟

江戸の中心地の一つである日本橋にてとある茶屋があった。その茶屋にあるお客が来店した。そのうちの一人には相談屋の女将であり、その悩みを聞くために茶屋に訪れた。もう一方はその相談を行ったのだが、会津の地から遠路はるばるやって来たのだという。

その相談を茶屋で受けようとしたその時、その茶屋の女将と若い衆との話を小耳にはさんだ。しかもその若い衆は非常に「訳あり」で今にも悪の道に走りそうな状況だったのだが、それをいかにして救ったのかを描いている。

「江戸情緒」と言う言葉があるのだが、その情緒の面の中でも、ハートフルな人間模様が綿密に描かれている。しかしその人間模様の中には先述のように道を踏み外しそうな人もおり、その人々をいかにして救うか、それぞれの人物の背景まで描かれており、人間の良さ・悪さがものの見事に描かれていた。