目を見て話せない

「コミュ障(コミュニケーション障害)」をひとえに言っても、様々な種類がある。本書の主人公は話すときに目を見て話すことができない状況もあり、元々はマンガだが、アニメ・ドラマにもなった「古見さんは、コミュ症です。」主人公の場合はそもそもの人付き合いが苦手で会話もままならない状態(会話しようとすると激しく震える性質である)になるという。

かくいう私自身はその両方には当てはまらないのだが、積極的に声を掛けることができないことが多い。コミュニケーション能力はやりようによっては引き上げることはできるもものの、最終的にはそれぞれの「気持ち」といった精神論にどうしてもなってしまう傾向が強い。

本書の話に戻る。本書の主人公は大学生だが、大学デビューできず、人との会話、とくに目を見ての会話を苦手としている。そのことも災いしてか友達を作ることができず、悩んでいた。しかしながら推理力は驚異的であり、行く先々で事件に遭遇しては解決するといった事で、だんだんと友達ができるという物語である。「コミュ障」と思っていても、どこかに長所や特技、能力があり、それが開花することによって自然と人の縁ができると言うことを知る一冊と言える。