小学5年生の女子2人はまさに「相棒」と呼ばれるほど親密であった。しかもその名前は2人とも「あや」である(もちろん漢字に直すと「彩」と「亜耶」とあり、それぞれ異なる)。
その2人の「あや」が物語の「綾」を生み出す。
片方の「亜耶」はモデルをしていた。そのモデルに強いプライドがあり、自らも神秘的な存在で特別視されたいという願望を持っていた。だんだんと年齢を重ねることによってだんだんと神秘的なものがなくなっていくように感じたのだという。その感じた中で彼女たちは心の中にある深い「闇」が見えだし、凶行へと走って行った。
「思春期」の時期は男女とでは若干異なる。男子の思春期はだいたい中学生から高校生にかけてであり、女子はそれより2~3年ほど早いと言われている。この思春期はかなり繊細であり、ちょっとしたことでも悩み、コンプレックスを抱える。その悩みとコンプレックスを抱えて行く姿、そして何をしでかすのかわからなくなる心の深淵を垣間見た一冊であった。
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