親を頼らないで生きるヒント

本書、もとい「岩波ジュニア新書」は中高生を対象とした新書である。そのため、その方々のために、何をすべきか、そして何を考えるべきかを主軸としている。そう考えると本書はかなり当てはまってくる部分になってくるのではないかと考える。

その理由として、本書はある種の「親離れ」の生き方のヒントを提示している。中学や高校になってくると、思春期・青年期にあたるのだが、親離れを少しずつ行っていき、なおかつ多様な人間関係を学ぶといった側面を持っている。本書は親に頼らず、どのようにして生きたら良いか、それらを考えるに際してのヒントを提示している。

1.「「なぜ、家族のことで悩んでしまうのだろう」へのヒント」

家族に関しての悩みは多かれ少なかれある。もちろんごく普通の家庭であっても、自分と親の立場との「溝」があり、それがどうして存在するのかと考えるケースもある。

また家族間のトラブルに対して、子どもはどう対処をしていく必要があるのかと悩む人もいることだろう。本章では「家族」に対して、もし自分が悩んだらどう考えていけばよいかを取り上げている。

2.「「悩んだ先輩たちはどうしたんだろう?」へのヒント」

先輩に限らず、本章では「後輩」「友達」などに置き換えても差し支えない。もしも周囲に家族や人生などで悩んだらどうしたら良いか。積極的に手を差し伸べることも一つの手段である。しかしながら「放っておいてくれ!」と突き返されるケースもある。

ではどのようにSOSを出し、なおかつサポートを死絵地区、あるいは大人たちに頼っていくようにアシストしていけば良いかを示している。

3.「「どんな行動を起こせばいいのだろう?」へのヒント」

最後は悩みに対しての「行動」である。行動を行う事のできる機会は沢山あるのだが、相談所にしても、カウンセラーにしても、あるいは家族以外の信用できる大人たちでも、ひとまずは「SOS」を出すことが先決である。その「SOS」は声だけでなく、相談所へメール・チャットを行う事もまた一つの手段である。それらを駆使して、自分や周りの「SOS」を発することが大切である。

誰しも悩み、なおかつトラブルを抱えることがある。特に中高生は大人になる一歩手前でありつつ、自分自身は大人になりたい、あるいは大人のように振る舞いたいと言えども、まだ未熟な部分も少なくない。ではどのように頼っていけば良いのか。

本書の中では適当ではないかも知れないが「聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥」という諺がある。悩みも発せず、悩み続け、いつしか「あのとき相談しておけばよかった」という後悔よりも、自分から発した方が、後々の人生にも大きな糧となる。本書はそんな一冊である。

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