黒木魔奇録 魔女島

「怪談」となると、夏の風物詩として持て囃されることもあるのだが、実の所を言うと、冬でも怪談を扱うような本や作品も多くある。根っからの怪談好きの方もいれば、おそらく冬に怪談を見聞きするときの恐怖感がたまらない方々もいるのかもしれない。ちなみに私は怪談が好きかどうかと聞かれると、「特に好きでもなく嫌いでもなく」と答える。

私事はさておき、本書はコロナ禍ならではも含めた選りすぐりの怪談を取り上げている。本書で取り上げられている物語は全て実話をもとにして作られている。怪異的なものであるため怖い印象が強くあるのだが、話によって怖さの度合いもけっこう異なってくる。中にはライトなものから、身の毛がよだつほどの怖さを覚えてしまうもの、中にはトラウマになってしまうものに至るまで度合いのヴァリエーションは広い。そのため、怖いもの好きな人でも、そうでない人でも楽しめる一冊である。

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