白き女神の肖像

どこか、別の物語などで聞いたことがある。画家のモデルが、絵の題材にされた後に、死ぬ、あるいは事件に巻き込まれるといったものがあった。誰のどの作品かは覚えてはいないのだが。

それはさておき、本書はとある画家が妻をモデルに肖像画を描いたのだが、そのもで売るの妻が謎の事象が起こった。モデルとなって次々と肖像画を描かれていくうちにだんだんと生気が奪い取られ、そして死んでいった。彼女の死後、別の人をモデルにしていったのだが、同じような状況になっていった。

舞台としては20世紀前半のヨーロッパと推測できるが、その奇怪な状況はまさに何か「呪われている」道具のせいのようなイメージも捨てきれない。しかし物語が進んでいくうちに、奇怪の真相と、ある種の怪談のような結末が待っていた。最後の部分はまさに全ての「奇怪」を象徴するような展開で思わずゾッとしてしまった。