本書のタイトルを見ると、あの名曲を連想される方も多くいるかと思う。
しかし本書はその曲のオマージュというわけではなく、とあるモデルとファッションライターの恋愛と選択を描いている。
トップモデルの彼とファッションライターの彼女、彼女の所から愛を育んできたのだが、大きな事故に遭遇してしまい、彼は半身不随となり、モデルとしての人生を絶たれることになった。自暴自棄になり、自らも死を望むようになった彼、そしてモデルではなく「一人の男性」として一途に彼を愛している彼女。「生」か「死」かという究極の選択を迫られ、そしてある理由からスイスへと旅立つこととなった。
本書は恋愛だけでなく、自らの死を選ぶのか、死んではいけないのかという「尊厳死」「安楽死」も絡めた物語となっている。もっとも「尊厳死」「安楽死」の先に何を待っているのか、さらに周囲と自分との軋轢がものの見事に描かれており、恋愛ばかりでなく「尊厳死」を考える中でも非常に興味深く書かれていた一冊であった。
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