FIREを目指せ 最強の人生向上術 経済的自由を達成する方法

ここ最近書店でも「FIRE(Financial Independence and Retire Early)」に関しての本が並んでいる。当ブログでも一昨年に「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」という本を書評したときに初めて目にした。もっとも「Retire Early」とあるため、早期リタイアといったことも意味しているように見えるが、人によっては「働く楽しさ」を持ちたいためにあえて仕事を続ける方もいる。ただ「お金」に対しての苦しみから「早期リタイア」すると言う意味を考えたら良いのかも知れない。

もっともアメリカでは2010年代にその動きが広まり、現にFIREを達成した人も少なくないという。なぜFIREを目指した方が良いのか、そしてどのようにしてFIREを目指せば良いのか、実際にFIREを目指し、達成した方々を取り上げながらその本質を示している。

第1章「「仕事をして、食べて、寝る」の繰り返し」

「FIRE」になったからと言って急に働かなくなると言うわけではない。毎日仕事をして、食べて、寝ての繰り返しと言う日常である。一見つまらない毎日のように見えるのだが、著者自身の体験であり、なおかつお金について悩むことない毎日でいられるという意味でこの繰り返しを幸せだと感じているという。

第2章「100万ドルのアイデア」

アイデアは皆さんの頭の中にも存在する。それをいかにして駆使するかによって、宝にもゴミにもなる。仕事におけるアイデアが湧き出てくることもあれば、「FIRE」を目指すようなアイデアも存在する。特にアイデアの中にはタイトル通り100万ドルもの価値のあるものもある。

第3章「幸せを感じる瞬間ベスト10」

「幸せ」の定義は人それぞれであるため、一概には言えないのだが、本章ではある人の「幸せ」に関してのベスト10を取り上げている。家族や嗜好といったものが中心となっている。

第4章「たかがコーヒー代、されどコーヒー代」

FIREを目指すとなると「投資」を行う事が中心となるが、目指す中での「本質」が本章のタイトルに大きく表れる。お金の「使い方」一つでお金が貯まり、殖やせるかそうではないかが分かれる。お金を殖やしていくための「節約」はかなり重要になってくる。

第5章「BMWとボートクラブ」

車にしてもボートクラブにしても「固定費」がある。カタカナにすると「サンクコスト」と呼ばれるのだが、お金の節約の中心となるのがこのサンクコストをいかにして削減するかどうかにかかっている。

第6章「さらば、コロナド」

本章では住環境の変化を取り上げている。特に家賃やローンはサンクコストの中でも特に料金のかかる面であるが、今ある仕事とどのようにして支出と相談し、なおかつ引っ越しにも費用がかかるため、サンクコストの削減と引っ越しとでどのように考えるかが悩ましい。しかしながら良い判断を行う事でサンクコストを一気に削減できる側面もあるため、考えるべきことの一つと言える。

第7章「旅の始まり」

FIREへの本格的な旅の始まりとして、家賃や生活費を削減する。しかしその「削減」と考えるとひもじいような生活にするイメージが強くあるのだが、自分自身の考え方を変える、費用を変える中で、環境を変えることによって新たな旅を始めることができる。そうFIRを達成するための旅である。

第8章「インデックスファンドとは何か?」

節約や削減などによってできたお金を種にしてどのように殖やしていくかが本章になってくる。その手段の一つとして「インデックスファンド」があるのだが、

ファンドの基準価額がある指標(インデックス)と同じ値動きを目指す運用をする投資信託のこと。パッシブファンドとも呼ばれる。Wikipediaより一部抜粋

を指している。どのファンドを選んだら良いか、またどう投資するのかにも言及している。

第9章「FIREの“学び”」

FIREを目指すための旅は節約や投資が主になってくる。しかしそれらを行っていく上ではどうしても頭を使う。頭を使うことによってお金に対しての「学び」も出てくる。本章で「学び」の具体的な所を取り上げている。

第10章「家族と節約」

生活費も節約するとなると、「苦しい」イメージがつきまとう。もちろん実際に行う方の多くは「家族」がいる。その家族と節約をどのようにして兼ね合いをつくっていったかを取り上げている。

第11章「夢の家 Vs 夢の暮らし」

結構面白い命題である。というのは住環境を充実して良い暮らしをするのか、一方で住環境はそれ程でもないが、その中身の暮らしがより良いものの方が良いか、と言うものである。もちろんどちらも良いものであるのだが、お金のことを考えると「後者」と言うほかない。

第12章「“FIRE友”作り」

「FIRE」は一人で達成することができないことが多い。もちろん達成した人の中にはコツコツと一人で行っている人も言えるのだが。しかし達成するとなると様々な「支え」や「励まし」もまたモチベーションの材料になる。その一つとして「FIRE友」をつくることもまた一つの手段としてある。

第13章「広がる火(FIRE)」

言うまでもないが本書はFIREとは言えど、火の「FIRE」ではない。しかしながら、FIREを達成した人が人の輪を巡って、広がっていくことを「広がる火」と連想している。

経済的に苦しく、そこからストレスフリーになりたい人も少なくない。しかしFIREとなると「お金持ちがなるもの」という幻想を抱く人もいる。本書を読んでいくと、ごく普通の人でも、お金に対する考え方、さらにはアイデアを形にしていく事によって「FIRE」を達成する方々もいる。お金儲けでもなく、お金持ちでもなく、自分自身の出費とを向き合いながら節約・倹約して、生みだしたお金を殖やしていく。誤解を招くかも知れないがFIREは誰にでもできる要素がある。本書はそのことを知ることができる。