新型コロナウイルスの収束が見え始めたかと思った矢先の第6波である。しかも先の状況とは異なり、急速に感染を広げている。オミクロン株の感染力が強い影響と見られており、日本に限らず、世界的に急速的なペースで感染を広げている。国によってはピークアウトとなり、減少傾向にあるのだが、まだまだ油断できない現状にある。
このコロナの影響により、旧来の生活様式、さらには仕事のあり方を続けることが難しく、在宅を含めた「テレワーク」を行う企業も増えてきている。その一方で、「コロナショック」と呼ばれる状況で、倒産などが相次ぎ、経済的にも減退したといった報道もあった。しかし著者は逆転できる機会があり、その戦略があるのだという。本書はその戦略を提示している。
第1章「先進国脱落ニッポンの逆転戦略」
昭和の時に「高度経済成長」により、日本は先進国の仲間入りを果たした。その仲間入りを果たしてから長らく経済大国としても挙げられてきたのだが、近年は「失われた10年」ないし「失われた20年」と呼ばれるような現状に陥ってしまった。もはや「先進国から脱落した」とまで言われる始末である。
かつてイギリスのエコノミスト誌の東京支局長を勤め、1990年にバブル崩壊を予測した「日はまた沈む」が話題となったビル・エモットが、その後に「日はまた昇る」を上梓したように、復活できる底力がある事を本章にて示している。
第2章「日本企業は「高品質・低価格」を捨てよう」
私も貧乏性のせいか、高品質で低価格のものをどうしても求めたがる。それ故か、海外では値段の上昇が進んでいるにもかかわらず、日本では物価が安くなっているといった事象が発生しており、論者によってはそれについて憂うこともある。その高品質・低価格を脱却し、利潤を引き上げるためのヒントとして「DX」や「シニア」「海外」がキーとなる。
第3章「コロナ後に勝つビジネスパーソンの働き方」
賃金上昇は近年では若干ながら上昇している傾向だったのだが、コロナショックで倒産が相次いでいるだけでなく、ボーナスカットや給与の引き下げも出てきている。他にも黒字であるにもかかわらず、リストラの動きもある。リストラや賃金低下ばかりで無く、コロナがきっかけとなったがテレワークの促進はまだまだ続く。その中で「働き方」などが大きく変わっており、これからも変わる。どのような働き方が求められるのかを提示している。
第4章「縮小ニッポンの新しい生活様式と街づくり」
少し前までは便利になること、24時間365日営業することが是とされていた。しかしながらここ最近のコンビニでも24時間営業をなくす、あるいは年末年始など一定の休みが設けられるなどの動きもある。他にも街並みの変化もあり、住まいの選択も変わってくる。住む人、街をつくる人双方でも「変化」が生じている。
第5章「「人生の未来年表」で戦略的に生き抜く」
仕事にしても、社会、経済など様々な面で大きな変化を生じている。その変化のなかでどのような戦略が必要なのか、その戦略を提示している。
コロナショックによるピンチはどうしても拭えない。もちろんピンチをピンチとして捉える人もいるかもしれない。しかしピンチは裏を返せば「チャンス」ともなる。そのチャンスをどのようにつかみ、活かしていくか、それは国はもちろんのこと、私たちにもかかっている。
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