音速の刃

決して週刊少年ジャンプで連載していた人気作を諧謔化したタイトルではない。

本書の物語は飛行機事故を題材にしている。私もここ最近は新型コロナウイルスにより帰省ができておらず、飛行機にも何年も乗っていない。飛行機というと時速数百㎞といったかなりの速さが出るのだが、飛行機と呼ばれているものの中には、有事の際に活躍する戦闘機と呼ばれるものもある。特に戦闘機の中には速さが音速を超えるものもあり、なおかつ戦闘も行うため本書のタイトルが名付けられたのかも知れない。

話がそれたため、本書の内容に戻る。国産の最新鋭ステルス戦闘機の墜落事故から物語は始まる。その事故の真相を追っていくうちに、戦闘機の開発の所に潜む様々な「闇」が見つかった。その闇は航空業界の中では長らく「タブー」とされていた所である。もっとも著者は長らく航空機の設計に携わっていたからでこそ「設計」にまつわる細かい話などにも言及されており、興味深く、かつスリリングに読むことのできる一冊であった。

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