武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン

ビジネスを考える中でも色々な要素がある。ロジカルシンキングラテラルシンキングインクレディブルシンキングなど考える方法は沢山ある。他にも図や絵にして考える方法なども存在しており、本書はその中でも「図」にして抽象化しながら、考える習慣を提唱している。なぜ図にして考える必要があるのか、またどのようにして実践を行っていけば良いのかを示している。

Part1「基礎編」

文章にすると一見難しい、あるいは長文になるとわかりにくいことが多々ある。特に考えなければならないことが沢山あるときは、どうしても、文字にしてしまうと、整理が難しくなることも往々にしてある。

そこで「図」である。要素をピンポイントでとらえることもできるという。その用法はもちろんのこと、ここでは「概念図」を描くと言うことも提唱している。

「概念図」は簡単に「図」にすることが主であり、文字は少なめにして「描く」ことによって、物事をシンプル化してとらえることができる。

Part2「実践編」

ではどのような「概念図」をつくっていけば良いか、そのことを実践形式で取り上げている。

まずは「ピラミッド」。こちらは論理的に考えるために、三角形、あるいは逆三角形にして、考えるべき事を深層まで掘り下げていくというものである。

2つ目が「田」の字の方法。よくある「緊急度」と「重要度」のマトリックスとしてとらえることを応用したものである。「緊急度」「重要度」となると「2×2」となるが、考える要素や内容により「3×3」や「4×4」へと応用もできる。

3つ目が「矢バネ」、これはビジネスにおけるプロセスフローをつくる際によく使われるが、ブロックの矢印をいくつかつなげて考える方法である。プロセスの細分化に大いに役立つが、使い方によっては発想を生み出す要素にもなる。

最後が「ループ」、いわゆるビジネスにおける「サイクル」を図式にしている。しかしサイクルの中には手戻りなど、戻ることも往々にしてある。それをいかにしてシンプル化して行くかも取り上げている。

考え方は色々とある。しかしビジネスは年々多様化・複雑化している。そのビジネスをいかにしてシンプルにして、なおかつ新しい要素を生み出していけば良いか、と言うことも課題としてある。それについて考え、解決に導く要素として「図」にすることもまた一つの手段である。