山海記

2011年

この年の意味というと、多くは11年前に起こった東日本大震災を想像するだろう。無論私も同意見である。しかしこの年には震災と同時期に中東諸国にて「アラブの春」が起こった。また日本における天変地異として2011年台風12号による紀伊半島豪雨を中心に甚大な被害を受けた。本書は東日本大震災と紀伊半島豪雨の2つの出来事と場所を結びつけ、その土地の事情を実際に赴き、さらには地誌を通して歴史的などの共通点、さらには伝承があるのかも含めて探し求めている。

「私小説」と呼ばれる物語であるのだが、2011年がきっかけかどうかは難しいのだが、地理的に離れていても、共通点が少なからず存在する。それを意図的に探し求めているわけでもなく、水害などの災害の歴史を探していく中で見つけた産物とも言えよう。

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