自分を変えるノート術

私自身、書評を行うときでも、仕事をするときでもノートは欠かせない。ノートで色々な事を書き、時には忘れ、時には堂々巡りしているものを取りだして、さらに考えを促進させることもある。

「ノート」は色々と役立つことができ、何でも書くことができる。自分自身を見出すためにも使うことができる。その見出し変えるために、ノートでどう「使えば良いのか」。そのことについて取り上げているのが本書である。

第1章「ノートに書くことの効果」

もっともノートに「書く」こともあるのだが、それも含めて「使う」といった方が正しいのかも知れない。何でも「書く」ばかりでなく、書いたものを見出しながら、考え、さらに考えることもまた方法の一つとして挙げられる。

本章でも言及しており、私も実感しているのだが、脳内で考えられることは無限にあるように見えて、人それぞれにキャパシティ(容量)がある。そのキャパシティを超えてしまうと、思考を含め、身動きが取らなくなってしまう。それを避けるために脳内にあることをノートなどに書き留めておくことにより、何をしたら良いのかを「見える化」することができる。

第2章「一人合宿のやり方」

「一人合宿」の用途はビジネス・プライベート関わらず「様々」な場で行う事ができる。例えば会社の経営者の場合は、一人で経営のことを黙々と考え、ビジョンを見出す。またはあるビジネスマンが人生の棚卸しを行い、この後のキャリアをどうしたら良いかを考える機会として「一人合宿」を行う。

「合宿」とはいっても、別に違う場所で大がかりなトレーニングを行うと言ったものではない。カフェなどへ行き、まとまった時間でノートとペンを用意して行うだけである。

第3章「ノートの使い方―基本編」

かくいう私もノートは忘れるためのものばかりでなく、考えるためにノートを書くことも多い。仕事においても「頭で考える」ならぬ「手で考える」ようにしているのもこのためである。

ではどのようなノートやペンを使えば良いか迷われる人もいることだろう。本章では著者自身がチョイスしたノート・ペン選びはもちろんのこと、どのように書けば良いのかの基礎を伝授している。

第4章「ノートの使い方―テクニック編」

テクニックもやり方は何通りもある。ノウハウ本の中には箇条書きや、マインドマップに至るまで方法は世に多く出ている。それに見合った方法を行う方が良い。

そう言ってしまうと元も子もないが、本章ではどういった方法でノートを使ったら良いかのテクニックをいくつか伝授している。

第5章「実験とベイビーステップ」

人生にしてもビジネスにしえても「トライアンドエラー」の毎日である。考えついたことを実践することにより、失敗も生まれる。その失敗をどのように糧としていくかなど、ノートを使ってこれからの人生をどうしていくかを取り上げている。

世間はもうすぐ4月になり、新しい「年度」となる。ちょうど年度末にあたるため、忙しい日々となる。しかし年度が始まると、学生では新学年が、社会人の中には新しい場所・部署・会社でスタートを切る人もいる。これまで行ってきたこと、そしてこれからのことを短い期間ではあるものの棚卸しすることも大切である。その一つの手段に本書のノート術も適しているのではないだろうか。