東シナ海 漁民たちの国境紛争

「東シナ海」は沖縄を含めた南西諸島とユーラシア大陸に挟まれている海であるが、この海においてはしばしば中国にて様々な問題が横たわっている。最も有名なものとしては「尖閣諸島問題」もある。また資源に関してのことについて「ガス田開発問題」もある。

また本書で紹介する漁業においても暗い影を落としている部分がある。本書では中国・日本・台湾・韓国と囲まれている東シナ海においてどのような問題を抱えているのかを取り上げている。

第一章「追いつめられる東シナ海漁業」

東シナ海は1960年代までは活気のある漁場だった。しかしながら水産資源の現象により、寂れていった一方で、日本・中国による乱獲などにより水産資源の減少は下降の一途を辿っている。

また「呼称問題」や「排他的経済水域」などの問題もあるという。

第二章「東シナ海で増す中国・台湾の存在感」

先にも記載したとおり、東シナ海は日本の隣国の間に挟まっている。そのため漁業に関しては中国・台湾との交渉も必要になってくるのだが、その漁業のところにおいて「尖閣諸島」が大きなネックにある。

第三章「東シナ海に埋め込まれた時限爆弾」

東シナ海は尖閣も含めて外交的な「時限爆弾」を抱えている。かつては日本が独占的に有していたのだが、中国や台湾の発展により、漁業に関しての権益争いが起こっている。特に中国においては軍艦などが通り、中にはレーザーや銃弾を撃つといったこともあり、戦場になるのではという懸念も出てきている。

第四章「日本人が消える海」

これまでは漁業権に関してだったが、本章では日本の中の漁業の現状を表している。工業でも人手不足により、外国人労働力に頼る所も出てきているのだが、それが漁業においても同様のことが起こっている。

第五章「軍事化する海での漁業」

尖閣諸島を中心に緊張感が高まる東シナ海であるが、中国では東シナ海のみならず、南沙諸島や西沙諸島をめぐっての争いもある。中国から端を発している軍事的な部分を含めた緊張に対して、周辺諸国はどう対処していくか、そのことについて論じている。

現在ではロシアのウクライナ侵攻が連日ニュースで話題となっているが、領土や紛争に関して言うと、実は日本も他人事ではない。本書で取り上げた尖閣を含めた東シナ海に関しての問題はもとより、竹島や北方領土問題など領土にまつわる問題は大東亜戦争以降も横たわっている。それに対し、日本が国家単位で何をすべきか、決断を迫られているという他ない。