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2022年3月

恭一郎と七人の叔母

母子が実家に住んでいるが、その母は8人姉妹で、主人公である子供には7人の「叔母」がいることになる。しかもその叔母たちの中には夫や子もおり、同じ実家で暮らしており、さらには子供から見て祖父母・大叔父・大叔母、曾祖父とみるからに大家族であり、なおかつ何人暮らしかとさえ思ってしまう。 人数的な意味で騒々しい家族の悲喜こもごもを描いたのが本書である。ハートフルなストーリーでもなく、家族のいざこざでもなく、 […]

東京大空襲の戦後史

大東亜戦争時、東京にて空襲を受けたのは1944年11月から、1945年8月15日の終戦までで100回以上空襲を受けたのだが、特に大きなものとして1945年3月にあった空襲が特に規模が大きく、次章以降でも述べるのだが、多くの民間人が10万人以上も命を奪ったとされ、「東京大空襲」の象徴的な部分として挙げられる。 なぜアメリカは東京大空襲を行ったのか、そしてその後の戦争被害と東京裁判などにおいて、どのよ […]

作ってあげたい小江戸ごはん たぬき食堂、はじめました!

埼玉県川越市は、俗に「小江戸」と呼ばれ、有名である。そもそも「小江戸」とは「小さな江戸(東京)」というよりも、江戸時代のような風情があり、その風情によって栄えている待ちのことを指す。江戸時代にて、 世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり と謳われたことから、「小江戸=川越」という印象がつけられている。それ故か、地ビールには「COEDOビール」、閉鎖された施設として「小江戸横丁」もある。 その […]

非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術

クリエイターは課題に対してクリエイティブな視点から課題解決を行うことが多い。「クリエイティブ」と言っても、新しいものを1からつくるというのではなく、課題を見きわめながら、今あるものを新しい「組み合わせ」をつくり、解決していくというものである。 実際にクリエイティブなことを行うポジションはそれ程多くなく、それに該当する部署が行うイメージが強いが、実は非クリエイターと呼ばれる部門でも、クリエイティブな […]

悪い夏

本書は生活保護の受給者、そしてその方々の経済自立を図るためのケースワーカーの物語である。もちろんその生活保護の受給者の中には「不正受給」を行っている人も少なくなく、本書ではその中でもタチの悪いような人ばかりである。 しかも「人の縁」はその人自身を変わらせてしまうと言うが如く、ケースワーカー自身も生活保護に陥ってしまう。ごく普通の人間が悪い人間に触れていくことで染まってしまうかのように。 そういった […]

AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣

リーダーとはどのような存在で、どういったことを行えば良いか。仕事・立場それぞれによって異なる。しかし「トップ」を走るリーダーたちの習慣を分析すると、色々なものが見えてくる。本書はAIサービスによって分析を行った上でわかったトップの「習慣」を列挙している。 第1章「AIが突き止めた! トップ5%リーダーの意外な特徴」 あくまでAIによって分析を行っているため、すべてが同じ傾向にあるわけではない。その […]

エミリの小さな包丁

仕事・恋愛・お金と全て失った女性が、母方の祖父母夫婦に手を差し伸べてくれて、田舎に引っ越すことになった。女性は傷心もあれば、田舎の環境になじめず、戸惑いもあったのだが、祖父母夫婦がつくる料理に触れ、自らも料理をつくることによって癒やされるという物語である。 しかし田舎の環境、そして祖父母夫婦がつくる料理には、その環境でしか味わえない味と愛情がぎっしりと詰まっているようでならなかった。また料理には身 […]

風俗嬢の見えない孤立

「風俗嬢」と呼ばれる世界があるが、その世界の中はあまり知られていないことが多い。知られているとしても、現状を本書をはじめとした書籍、もしくはドキュメンタリー番組にて知るくらいである。 風俗嬢の世界はわたしたちの知られざるヤバさと「孤立」が存在しているのだが、一体どのような現状があり、なおかつどのように変わっていく必要があるのか、そのことについて取り上げている。 第1章「「風俗ヤバい」を捨てられない […]

向島・箱屋の新吉 梅若の涙雨

本書は「向島・箱屋の新吉」シリーズの第3弾となる作品である。本書の舞台は現在の墨田区堤通にある「木母寺(もくぼじ)」。その創建のきっかけとなる梅若丸を弔ってつくった「梅若塚」がある。 新吉はいつもの箱屋の仕事で移動をしている最中、梅若塚を通っている最中に女が涙している姿を目にした。その女に涙の理由を聞くと、女衒(ぜげん・江戸時代に、女を遊女に売ることを業とした人のこと)に売った娘の行方を捜している […]

「一人で生きる」が当たり前になる社会

人は一人では生きられないと言ったことを聞いたことがあるが、それがだんだんと死語になりつつある。父と母の間で生まれ、様々な人に支えられるのだが、その後結婚することなく、生涯独身で人生を終えるといったケースも出てきており、最近では老後身寄りがなくなるケースもある。 「一人で生きる」は、「結婚」することなく、独身で生きることを指している。なぜ独身が進むのか、そして独身が増えていく中でどのように生きたら良 […]