三叉路ゲーム

「三叉路(さんさろ)」とは、

道路のみつまたになっているところ。「大辞林 第四版」より

とある。よく道路では「Y字路」がそれにあたる。この三叉路自体は道路でも出てくるのだが、物語においても「分岐点」という扱いで使われることも多い。

本書で言う「三叉路ゲーム」もまた、誘拐事件を発端として犯人からの指示にて、選択を迫られることの連続となる。それがあたかも分岐であるかのように。

犯人は事件を追う警察に対してある種の挑戦状を叩きつけているのか、あるいはもてあそんでいるのか、両方とも受け取れるような展開だが、そこは事件を追う警察。犯人の思惑に乗らせず、事件の真相を追っていく。ところがその追っていった先の真相とはいったい何かが物語の核心に入ってくる。

もっともミステリーにしても、事件に対する推理のなかにも様々な分岐がある。それが「三叉路」のごとく、2つから選ぶものもあれば、3つ以上の分岐から選ぶものまである。その選択とそれまでの推理、そして決断に迫られることの連続であるが、その緊迫感がダイレクトに伝わる一冊が本書と言える。

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