代表取締役アイドル

本書はとあるアイドルが握手会で起こった事件に巻き込まれ、アイドル活動ができなくなった。途方に暮れたアイドルはある人から目を掛けられ、オファーとなった。それが何と大企業の社外取締役というポジション。

アイドルからいきなり役員になったのだが、「大企業」は名ばかりで、実はパワハラやいじめ、さらには改ざんなどが横行する「ダメ会社」だった。お飾りになるのではなく、自分自身で立ち直らせる思いで仕事を進めた。しかしそこには周囲の圧力やいじめの矛先が向けられながらも、果敢に立ち向かい、ついにはタイトルにある代表取締役にまで上り詰めるというものである。

アイドル小説なのか、企業小説なのかというと、後者と言うほかない。もちろん経営としての才覚も必要になってくるのだが、秘書が有能であること、さらにはアイドルで活動していく覚悟と度胸を経営にも活用しているような印象だった。