読書をプロデュース

本書の著者は元々「さんまのSUPERからくりTV」や「中居正広の金曜日のスマたちへ」などのバラエティ番組を手がけた人物であり、現在は東京大学大学院に在籍しながら、いくつかの番組のプロデューサーを務めている。

テレビに携わる著者だが、実は家にテレビは置いておらず、本棚に囲まれているという。もちろんそこには無数の本があり、想像力を育ませてきたのだという。その著者が体験してきた読書として「バラエティ読み」があるという。いったいどのような読み方なのか、そして著者自身、どのような読書の道を辿っていったのかを見てみよう。

第1章「なぜ僕たちは今、本を読まないと死んでしまうのか?」

私もそうであるが、典型的な読書もしくは活字依存症患者である。かくいう自分も長らくい読書依存症患者で、それが祟って書評を書き始めて当ブログを開設して今に至る。

私事はさておき、著者も私もそうであるが、本を読まないと気が済まない。その「喩え」で「死んでしまう」と表現している。しかし本を読まない人の多くは一字一句キチンと読まなければならないという人もけっこういる。実際読み方は「読書術」なるものも存在するが、人それぞれであっていい。著者が提唱する「バラエティ読み」もまた一つの手段であり、ジャケ買いで、あらゆるジャンルの本を無差別に、なおかつ無作為に読むという方法も一つである。

第2章「どんな人にとっても、読書は「いいこと」しかない」

読書をしていくと、色々な本に出会うことができる。その本の中には感動する本もあれば、深い次元で興味を示す本、さらにはくだらない本まであることを知る。もちろん自分自身の生活や考えにあった本もそれぞれ異なるため、「選ぶ」「見つける」ことができるのもまた、読書の良い点の一つである。

第3章「仕事でもっとも大事な「想像力」は小説で磨ける」

小説は創作であることがほとんどである(もちろん中には「ノンフィクション小説」なるものもあるが)。小説となると、もちろん想像力を働かせて読むことが求められるのだが、その「想像力」こそ、仕事によっては使う力になってくるため、磨くためのツールにもなる。

第4章「僕たちは今後、どのような読書をすればいいのか?」

これまでも何度も書いたように読書のあり方は人それぞれである。画一的な方法で、誰しも同じように読書できるわけではない。もちろん読書を行っていきながら行く先として何があるのか、そして出版業界はどのような現状で、どう育てていけば良いのか。著者の見地から取り上げている。

第5章「読む本に迷ったら、まず新書を手にしよう」

「どんなジャンルの本が良いか」と聞かれることがある。しかしそれが全くわからないのであれば、ジャンルが多種多様である新書から手を出すことを勧める。新書はかなりわかりやすい入門書から、一癖あるもの、さらには難しいものに至るまで豊富である。もちろん新書によってもどのような傾向かがあり、本章でも主要な新書を紹介している。

読書は誰にでもできる。しかしやるかどうかは人の気持ち次第である。そもそも本を「読む」か「使う」かはその人にかかっており、本書にて紹介されるバラエティ読みもまた著者自身の読書経験の中で培ってきたものである。自らの読書をプロデュースし、どのような人生を歩んでいくのか、著者自身のプロデュースを見て判断すると良い。