喜ばれる人になりなさい 母が残してくれた、たった1つの大切なこと

親孝行したいときには親はなし

経済的に自立して親孝行を行おうとしても、親がいなくなってしまうと言うことも少なくない。もっとも親が生きているうちに感謝の言葉を伝える、あるいはご褒美をするなどの「孝行」をすることがいかに尊いかを定義した川柳でもある。

かくいう私もコロナ禍で2年以上帰省できず、親に会えていない。とはいえ不定期ながらメールを送ったり、電話をしたりして、近況は報告している。そのためある程度はコミュニケーションを取っているものの、それでも「会いたい」という気持ちは変わらない。

私事はさておき、家族とあったり、孝行したりすることがわずかになるが、その中でもとの思い出、教訓などがある。著者自身の体験か、それとも架空の体験かは言及していないのだが、母親の言葉の中に本書のタイトルが残されている。本書は母とのエピソードを交えながら母が残してくれた、教えてくれたことを綴っている。

第1章「おかげさま母さん」

運や人生、感謝などの感情が溢れていた。特に母の思いきった「告白」には読み手の自分にも驚かされたのだが、そこには母ならではの思いもあった。そして息子への教育、家族のあり方など考えるべき事が山ほどあった。

第2章「ギフト屋母さん」

人には誰しも、与えられるものがある。それが自己啓発本の中には「ギフト」と定義するようなものもある。家族の中にも「夢」があり、その夢を育ませ、叶えていく。その時代は息子が小学生の頃にあった。生まれ育った町は活気づいており、その活気の中で育ったことも本章にて記している。

第3章「応援母さん」

応援をするのは誰しもある。仲間に対して、子どもに対して、その逆の親に対してと時と場合によって様々な「応援」がある。

息子は親の背中、さらには様々な体験を経て起業をすることになった。その決意に父は反対する一方で、母や応援する立場となった。やがて父と息子の対立は深まり、毎日親子ゲンカの状況に、その板挟み状態だったが、母は苦しみすらなかった。応援し、時には叱咤しながら息子を励ましていった。

第4章「MOTHER」

母親の存在は偉大である。息子が大人になり、稼げるようになってもなお背中を見せている。その「背中」には新たな挑戦も秘めており、実際に動いていた。その姿に息子はどう感じたのかを取り上げているが、その矢先、ある「別れ」が待ち構えていた。

第5章「僕は必ずあなたを日本一の母にします」

「別れ」から幾年過ぎ、だんだんと母親の存在が大きくなった息子。その思いをもって母のことを書こうと思った。それが本書となった。

冒頭にて「架空の体験」と書いたが、実は著者自身とその家族をありのまま描いたノンフィクションである。もっとも長きにわたる思い出をどのように綴ろうとしたか苦心をしたのかもしれない。しかしありのままの著者と母親との思い出は鮮烈に残っており、本書を含め今日の活動に息づいている。

最後になるが本日5月8日は「母の日」である。母への感謝の日だが、母から教えてもらったことは色々あるはずである。それに対しての感謝と決意を送るのも良いでは無いだろうか。