それは桜のような恋だった

季節」というと、言うまでも無く春である。しかし少し細かくなると桜の開花時期は地域によって変わるため、厳密に言うところの「桜の季節」は変わってくる。例えば九州から本州までは3月末~4月初めが見頃である一方で、沖縄は1月末~2月頃、北海道に至っては4月末~5月上旬が見頃となる。

それはさておき、桜の季節というと出会い別れの季節である。その中でも特に別れは印象的になってくる。本書の舞台は京都。とある大学生の周りには不思議な現象があり、気味悪がられていた。その大学生がひょんな事からある女性と出会い、惹かれていった。

しかし春になると、女性は桜の木の下で消えていった。不思議な現象であり、突然の別れであったのだが、そこにある「不思議」は、大学生自身の「未来」につながっている出来事だった。その未来はどこに分岐していくのか、また大学生と女性はどのようなエピローグが待っているのかを描いている。