法廷遊戯

本書は法科大学院(ロースクール)に通う3人の学生が中心となっているのだが、法律を勉強する中で法曹の道へと進んでいく。しかし学生の告発をした差出人不明の手紙が届いた所から物語が始まる。

この手紙が起因となって不可解な事件が立て続けに起こる。3人の学生はその真相を究明すべく法律をもとに、解き明かしていこうとするのだが、様々な分岐が起こる。さしずめ裁判を行っているかのようなものだった。

事件と法律は密接に関わっており、事件に関して犯人は逮捕され、刑事裁判を受けるため、法律や判例と照合して刑罰を決めていく。その裁判と法律となるととっつきにくい部分があるのだが、本書は事件の解決の題材にしていきつつも、物語として臨場感を見せながら紐解いているだけあり、法律を勉強していなくても、すんなりと読み解いていける一冊に仕上がっている。